本はいかが?(20)「くんぺい魔法ばなし」

本はいかが?(20)


「くんぺい魔法ばなし」

東君平さんは、絵本作家として活躍されていた方。

 

切り紙を思わせる白と黒だけの挿絵には、色の持つ固いイメージとは逆に、どこかトボケたあたたかな味わいがあります。

その東さんの詩集を見つけました。その名も「くんぺい魔法ばなし」。

 

シリーズもので数冊が出ていますが、どれも魔法というのがぴったり!と、思わずなっとくの、ちょっと不思議な世界です。

若いころはご苦労され、それでも大好きな絵本の世界に突き進んだという東さん。

絵本のような世界の中に、人生の機微にふれるような味わいがちりばめられています。

夢をあきらめかけたときに見つけた、大都会「新宿」の看板。

ふと「しんじゆく(信じゆく)」と読めて、もう少しがんばってみようと思うくだりには、ついホロリ。

汚れたジーパンを手洗いしていたら聞こえる「返すよ、返すよ。許してくれよ!」の声…ポケットを探れば千円札。

「思った通りジーパンは僕の千円札を1枚盗っていた」には、思わずニヤリ。

謝るジーパンも、なんだか可愛いですね。

現実という言葉には、特にツライことがあったときなど、何もかもはねつけるよう絶対的な響きを感じがち。

でも、こんな風にちょっと「魔法の粉」をふりかけることで、それもあたたかな世界に変わるのかもしれませんね。

そんなことを思わせてくれるこの詩集。「今週は疲れた~」なんて週末に、パラパラめくってみるのも楽しそうですよ。

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