日仏建物事情と生活記 57号

〜日本の明かりの伝統 陰翳礼讃〜

谷崎潤一郎の陰翳礼讃を読まれたことありますか。建築関係やデザイン関係では必読書と言われている本です。パリで建築デザインの勉強をしていた頃にも先生に勧められて驚いた記憶があります。アメリカ人の建築家にも読んだことある?と聞かれたことがあり、どうやら世界共通で読むことになっているようです!

決して建築書、デザイン書ではありませんが、日本の伝統的な生活様式が至るところに眩してあり、特に日本人の明かりに関する美的感覚が情緒たっぷりに描写されています。

 

これによれば、日本人は森林の木漏れ日など、暗いところに射す一条の光に美しさを見出すとのこと。一方西洋ではとにかくぱぁ〜っと明るい太陽の元気いっぱいな明るさを好むそうです。

 

確かに質の良い明かりを思い浮かべるとき、薄暗い中にゆらゆらと灯るぼんぼりの明かりや、部分的にポツポツと配置された明かり、またはスリットから入る間接光などが想像できます。全体的に均一な明かりはあまり上質な空間には使われていません。

 

日本では暗い中でぽわっとした明かりを楽しむ習慣があったにも関わらず、現在ではとにかく家の中は明るく!と思う人が多いのはとても興味深いことですね。

 

bis design 木村奈保

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